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【CX入門シリーズ】記事一覧
これまでのCX入門シリーズでは、CX(Customer Experience:顧客体験)の基本的な考え方や、顧客との接点ごとに生まれる体験の重要性、デジタル施策によるCX向上について解説してきました。
過去の記事でも書いたように、CX向上において重要なのは、単に便利なサービスを提供することではありません。
顧客が企業や施設を知る段階から、実際に利用する場面、その後の関係性まで含めた一連の体験を設計することが重要です。
しかし、実際にCX向上へ取り組む際には、
「具体的にどのような施策を行えばよいのか」
「顧客にどのような体験を提供すべきなのか」
といった点で悩むケースも少なくありません。
本記事では、観光・地域イベント・商業施設などで活用されているCX向上の取り組み例を紹介しながら、顧客体験を高めるためのポイントについて解説します。
CX向上では顧客接点全体を設計することが重要
過去の記事でも解説した通り、CXとは顧客が企業やサービスと接触するすべての場面で生まれる体験を指します。
そのため、CX向上に取り組む際には、特定の商品やサービスだけを見るのではなく、顧客との接点全体を把握し、それぞれの段階でどのような体験を提供できるかを考えることが重要です。
例えば、観光施設を訪れる場合でも、顧客の体験は現地での利用だけで完結するものではありません。
- ・事前に情報を探す
- ・期待を持って訪問する
- ・現地でサービスを利用する
- ・体験を共有する
- ・再訪や次の利用につながる
といった複数の段階があります。
それぞれの段階で「どのような体験を提供できるか」を考えることで、顧客満足度の向上や継続的な関係づくりにつながります。
例えば、イベントであれば参加しやすい仕組みづくり、商業施設であれば回遊しやすい導線設計、観光地であれば地域を楽しめる仕掛けづくりなど、目的に応じた体験設計が必要です。
CX向上とは、単発の施策を実施することではなく、顧客が接触する一連の流れをより良いものへ改善していく取り組みと言えます。
観光・地域におけるCX向上の取り組み例
観光や地域イベントにおけるCX向上では、訪問者に「その場所ならではの体験」を提供し、地域全体を楽しんでもらう仕組みづくりが重要です。
従来の観光施策では、観光スポットへの集客や来訪者数の増加が重視されてきました。
しかし近年では、単に訪れてもらうだけではなく、
- ・地域内をどれだけ回遊してもらえるか
- ・どのような思い出を残してもらえるか
- ・再び訪れたいと思ってもらえるか
といった、訪問中の体験や訪問後の関係性まで含めたCX向上が求められています。
◎デジタルスタンプラリーによる地域回遊の促進
地域におけるCX向上の取り組みの一つとして、デジタルスタンプラリーの活用があります。
例えば、自治体や観光協会が実施するデジタルスタンプラリーでは、地域内の観光スポットや飲食店、商業施設などをスタンプ取得場所として設定します。
参加者はスタンプを集めながら複数のスポットを巡ることで、これまで知らなかった場所を発見したり、地域の店舗を利用したりするきっかけになります。
◎実際の取り組み例:利尻島を巡る観光体験
実際の取り組み例として、利尻島観光推進協議会事務局様による「利尻島を制覇しよう!利尻クエスト2026」があります。

本施策では、島内の観光スポットなどを巡りながらスタンプを集めることで、参加者が自然や地域の魅力を楽しめる仕組みを提供しています。
観光スポットを訪れるだけでなく、ゲーム感覚で島内を回遊するきっかけを作ることで、滞在中の体験価値向上につながる施策となっています。
商業施設におけるCX向上の取り組み例
商業施設では、来館者に施設内を楽しみながら回遊してもらい、店舗利用や購買につなげる体験設計が重要です。
単に割引を提供するだけではなく、
- ・来館するきっかけを作る
- ・店舗を知ってもらう
- ・購入までのハードルを下げる
- ・利用後の満足度を高める
といった一連の体験を設計することで、CX向上につながります。
◎デジタルクーポンによる購買体験の向上
デジタルクーポンは、そのような商業施設での顧客体験を高める施策の一つです。
例えば、施設内の対象店舗で利用できるクーポンをスマートフォンで配布することで、来館者に店舗利用のきっかけを提供できます。
また、利用状況をデータとして取得できるため、どの店舗で利用されたか、どのような施策が効果的だったかを分析し、次回のキャンペーン改善にも活用できます。
◎取り組み例:商業施設で使えるお食事・お買物クーポン
実際の取り組み例として、リンクス梅田様の「バスターミナルご利用者限定 リンクス梅田 お食事・お買物クーポン」があります。

本施策では、対象者へデジタルクーポンを提供することで、施設内の飲食店や店舗利用を促進する仕組みを構築しています。
来館をきっかけに施設内で新たな店舗との接点を生み出し、利用者にとってはお得で便利な体験を、施設側にとっては来店促進につながるCX向上施策となっています。
イベントにおけるCX向上の取り組み例
イベントでは、来場者に「参加して終わり」ではなく、会場やコンテンツをより楽しんでもらう体験設計が重要です。
たとえば、デジタルスタンプラリーを活用することで、
- ・会場内の回遊を促す
- ・展示や企画への興味を高める
- ・参加者自身が楽しみながらイベントを体験する
- ・達成感や思い出を提供する
といったCX向上につなげることができます。
◎デジタル施策によるイベント参加体験の向上
イベントにおけるCX向上の取り組みの一つとして、デジタルスタンプラリーやデジタル抽選などの活用があります。
例えば、イベント会場や関連スポットを巡るデジタルスタンプラリーでは、参加者が楽しみながら会場内を回遊したり、展示や企画コンテンツに触れるきっかけを作ることができます。
また、参加後に抽選や特典を組み合わせることで、達成感や楽しさを高め、イベント全体の満足度向上にもつながります。
◎取り組み例:アートを楽しみながら地域の文化や魅力を体験
福島県様、チャレンジふくしま県民運動推進協議会様による「ふくしまアートスタンプラリー『ミニ』」では、対象スポットを巡りながらスタンプを集めることで、アートや地域の魅力に触れる機会を提供しました。

単にイベントへ参加するだけではなく、参加者自身が楽しみながら各スポットを巡ることで、印象に残る体験づくりにつながります。
まとめ:CX向上では目的に合わせた施策選びが重要
CX向上を実現するためには、単に新しい施策を導入するのではなく、目的や顧客との接点に合わせた体験設計を行うことが重要です。
今回紹介したように、
- ・観光・地域では、デジタルスタンプラリーによる回遊や地域の魅力発見
- ・商業施設では、デジタルクーポンによる店舗利用や購買体験の向上
- ・イベントでは、デジタル施策による参加体験や楽しさの向上
など、目的によって適した施策は異なります。
また、デジタル施策を活用することで、参加状況や利用データなどを取得し、実施後の分析や改善につなげることも可能です。
CX向上とは、一度きりの施策を実施することではなく、顧客の行動やニーズを把握しながら、より良い体験へ継続的に改善していく取り組みと言えます。
相談・お問合せ
当社では、自治体・商業施設・観光イベントなどにおけるデジタルキャンペーンの導入事例や実績をご紹介しています。
また、CX(顧客体験価値)の視点を踏まえた体験設計や、開催イメージを具体的にご確認いただける企画書・各種資料もご用意しています。
CXは、単体の施策ではなく「一連の体験をどう設計するか」が重要な考え方です。
そのため、企画段階から体験設計を整理することで、より成果につながる施策設計が可能になります。
「まずは相談してみたい」「情報収集したい」という段階でも問題ありません。ぜひお気軽にご相談ください。
参考情報・定義の出典
本記事では、CX(顧客体験価値)に関する考え方を整理するにあたり、UX・体験設計に関する以下の情報を参考にしています
- ・ISO 9241-210(人間中心設計プロセス)
ユーザー体験(UX)および利用体験設計の国際標準規格
https://www.iso.org/standard/52075.html
- ・Nielsen Norman Group(UX / CXの定義と関係性)
CXとUXの違い・体験設計の考え方に関する代表的な研究機関
https://www.nngroup.com/articles/ux-vs-cx/
(最終更新日:2026年7月22日)
(最終更新日:2026年9月30日)
