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【CX入門シリーズ 第1回】顧客体験価値(CX)とは何か
CXを向上させるためには、単にサービスやキャンペーンの内容を充実させるだけではなく、顧客が企業や地域と接点を持つ一連の流れを設計することが重要です。
本記事では、CXを構成する要素を分解し、デジタルスタンプラリーなどの参加型施策における体験設計の考え方を解説します。
■目次
CXは「一つの接点」ではなく「体験全体」で決まる
CXとは、商品やサービスを利用した瞬間だけではなく、知る前から利用後までのすべての体験を含めた価値です。
例えばデジタルスタンプラリーの場合、
- ①開催を知る
- ②参加したいと思う
- ③実際にスポットを巡る
- ④達成感を得る
- ⑤また参加したいと思う
という一連の流れがCXということになります。
CXを構成する5つの要素
ユーザーがサービスやイベントと出会ってから、その後の行動につながるまでの一連の体験を5つの要素に分けて解説します。

①認知(Awareness)
「サービスやイベントとの最初の接点」── 顧客がサービスやイベントを知る最初の接点です。魅力が伝わらなければ、その先の参加にはつながりません。
【ユーザーの認知を広げるポイント】
- ・情報が見つけやすい
- ・興味を引く内容になっている
- ・参加するメリットが伝わる
【情報発信の例】
- ❌ 開催情報だけを伝える
→「デジタルスタンプラリー開催中!」 - ⭕ 参加する価値まで伝える
→「限定特典を集めながら、地域の新たな魅力を発見できるデジタルスタンプラリーを開催中!」
② 興味・期待(Expectation)
「参加への期待を高める」── サービスを知った人が、「自分も参加したい」と感じるように期待感を高めることで、参加やその後の行動につながりやすくなります。
【ユーザーの興味を引くポイント】
- ・楽しそうと感じる
- ・気軽に参加できそう
- ・自分にも参加できそうと思える
【期待感を高める施策例】
- ・景品・特典
- ・ストーリー性のある企画
- ・キャラクター演出
- ・ARコンテンツ
- ・ゲーム性のある仕掛け
③ 参加・利用(Experience)
「実際に価値を体験してもらう」── CXの中心となる要素です。操作性や演出によって、参加者の満足度は大きく変わります。
【ユーザーの体験価値を高めるポイント】
- ・操作が分かりやすい
- ・スムーズに参加できる
- ・周遊そのものを楽しめる
【体験価値を高める施策例】
- ・QRコードによるスタンプ取得
- ・GPSチェックイン
- ・NFCにかざす体験
- ・クイズやミッションへの挑戦
④ 満足・達成(Satisfaction)
「満足感や達成感を生み出す」── イベントを終えた後に、達成感や満足感を得てもらうことが重要です。この体験が次の参加意欲にもつながります。
【達成感を得るポイント】
- ・コンプリート演出
- ・達成段階の設定
- ・思い出として残る
【満足度を高める施策例】
- ・デジタル特典・景品
- ・表彰・ランキング
- ・思い出として残せるコンテンツ
⑤ 継続・共有(Loyalty)
「継続利用や情報共有につなげる」── イベント終了後も参加者との関係を維持し、再訪や情報発信につなげることが重要です。
【ファン獲得の重要なポイント】
- ・また参加したいと思える
- ・誰かに共有したくなる
- ・地域やブランドへの愛着を育てる
【継続につながる施策例】
- ・SNSでシェアしたくなる演出
- ・リピート参加特典
- ・次回イベントの案内
- ・地域の魅力を継続的に発信
CX設計では「顧客導線」を可視化する
CXを向上させるには、顧客との接点を個別に改善するだけでは十分ではありません。
重要なのは、「いつ」「どこで」「何を感じ」「次にどのような行動を取るのか」という一連の流れを可視化し、それぞれの接点を設計することです。
例えば、デジタルスタンプラリーでは「スタンプを集める」ことが目的ではなく、参加者が地域や施設を楽しみながら回遊し、「また来たい」と思える体験を提供することがCX向上につながります。





CX(顧客体験価値)の向上につながります。
このように、各フェーズごとに「顧客の状態」と「企業・主催者が提供すべき体験」を整理することで、どこに課題があるのかが見えやすくなります。
CX設計で陥りやすい失敗
CXは「参加者の体験全体」を設計する考え方ですが、部分的な改善だけでは期待した成果につながらないことがあります。
① 景品や特典だけに頼ってしまう
景品は参加のきっかけになりますが、それだけでは参加者の満足度や再訪にはつながりません。
参加中の体験そのものにも価値を持たせることが重要です。
② 参加しづらい導線になっている
興味を持っても、参加方法が分かりにくかったり操作が複雑だったりすると、途中で離脱してしまう可能性があります。
③ イベント終了で関係が終わってしまう
イベント終了後に参加者との接点がなくなると、一度きりの体験で終わってしまいます。
継続的な関係づくりを意識した設計も、CXには欠かせない要素です。
まとめ:CXは顧客導線を設計することで向上する
CX(顧客体験価値)は、商品やサービスを利用する瞬間だけではなく、認知から参加、満足、継続利用までの一連の体験によって決まります。
デジタルスタンプラリーにおいても、参加方法やゲーム性、達成感の演出、イベント終了後のフォローまでを含めて設計することで、参加者の満足度や再訪率の向上につながります。
まずは顧客導線を可視化し、それぞれのフェーズでどのような体験を提供するべきかを整理することが、CX向上への第一歩です。
相談・お問合せ
当社では、自治体・商業施設・観光イベントなどにおけるデジタルキャンペーンの導入事例や実績をご紹介しています。
また、CX(顧客体験価値)の視点を踏まえた体験設計や、開催イメージを具体的にご確認いただける企画書・各種資料もご用意しています。
CXは、単体の施策ではなく「一連の体験をどう設計するか」が重要な考え方です。
そのため、企画段階から体験設計を整理することで、より成果につながる施策設計が可能になります。
「まずは相談してみたい」「情報収集したい」という段階でも問題ありません。ぜひお気軽にご相談ください。
参考情報・定義の出典
本記事におけるCX(顧客体験価値)の定義および関連概念は、以下の情報を参考に整理しています。
- ・ISO 9241-210(人間中心設計プロセス)
ユーザー体験(UX)および利用体験設計の国際標準規格
https://www.iso.org/standard/52075.html
- ・Nielsen Norman Group(UX / CXの定義と関係性)
CXとUXの違い・体験設計の考え方に関する代表的な研究機関
https://www.nngroup.com/articles/ux-vs-cx/
