
出産後の母子を支える「産後ケア事業」は、心身の回復や育児不安の軽減にとって非常に重要な制度です。
近年、この産後ケアをより公平に・使いやすく・管理しやすくする仕組みとして「産後ケアデジタルクーポン」が注目されています。
本記事では、自治体実務の観点から
- ★産後ケアデジタルクーポンとは?
- ★本人確認をどう考えるべきか
- ★デジタルクーポンで何ができるのか
- ★事業者・利用者双方のメリット
について解説します。
■目次
産後ケアデジタルクーポンとは?

産後ケアデジタルクーポンとは、自治体が実施する産後ケア事業において、利用券をスマートフォンで使えるデジタル形式で提供する仕組みです。
産後の母子を対象に、育児や心身のケアを支援するサービスを、より利用しやすくすることを目的としています。
産後ケア施設(宿泊型・日帰り型)や訪問型ケアなど、さまざまなサービスに利用でき、利用履歴や残数をオンラインで管理できる点が特徴です。
これにより、利用者の利便性向上だけでなく、自治体の子育て支援DXや業務効率化にもつながります。
本人確認は「やりすぎない」ことが重要
デジタルサービスというと、免許証やマイナンバーカードの画像アップロードなど、厳格な本人確認を想像されがちです。
しかし、産後ケア事業においては、過度な本人確認がかえってリスクを高める場合があります。
■本人確認書類アップロードのリスク
免許証やマイナンバーカードをアップロードさせる方式には、以下のような課題があります。
- ◇顔写真・住所・生年月日など、高リスクな個人情報が漏えいする可能性
- ◇万一の事故発生時、自治体・事業者双方の責任が非常に重くなる
- ◇産後の利用者にとって、心理的・操作的な負担が大きい
特に産後ケア事業では、子ども1人につき親本人および子ども分の事実確認が必要となるケースもあり、複数人分のマイナンバーカード等をアップロードさせることは、個人情報漏えいリスクをさらに高めます。
■「本人確認」と「利用管理」の役割分担が重要
産後ケアデジタルクーポンでは、
- ◇本人確認は自治体が既存の仕組みで実施
- ◇システムはクーポンの利用管理に徹する
という役割分担が現実的です。
各種本人確認書類をアップロードしても、その書類が本物であるか、実在するかを最終的に確認するのは自治体側の作業となります。
そのため、システム側で過剰な本人確認機能を持たせても、実務負担やリスクが減るとは限りません。
また、システム側で個人情報として扱う情報量を増やすほど厳重なセキュリティが必要となりセキュリティ対策コストがかかります。
産後ケアデジタルクーポンでできること
■郵送による配布コードで本人性と在住性を担保
産後ケアデジタルクーポンでは、以下ような運用を想定します。
- ①自治体が住民情報や庁内連携(住民課・障がい福祉課など)により対象者を認定
- ②対象者の自宅へ「シリアルコード+認証パス」を郵送
- ③認証完了後、デジタルクーポンを付与
この方法により、在住者のみに確実に配布でき、なりすましリスクを抑えつつ、個人情報の過剰取得を防ぐことが可能です。
■家庭の事情に応じた柔軟なクーポン付与
産後ケア事業では、双子・多胎児の家庭や、障がいのある児童がいる家庭、ひとり親世帯など、家庭の状況によって必要な支援量が大きく異なります。
デジタルクーポンでは、配布するシリアルコードの種類を分けたり、認証されたコードに応じて付与時間を変更したりすることで、公平性と柔軟性を両立した支援設計が可能になります。
■利用は「時間」で管理するのがポイント
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産後ケアを実施する事業者には、宿泊型・通所型・訪問型などさまざまな形態があり、サービス内容や料金体系も事業者ごとに異なります。
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利用時間で管理することで、サービス形態の違いを吸収しやすく、自治体・事業者双方にとって公平で分かりやすい運用が可能になります。
【利用ルールの一例】
- ◇15分単位または30分単位で利用可能
- ◇利用時間は自動で消込
- ◇利用履歴はすべてログとして保存
時間管理を基本とすることで、利用実態の把握や集計が容易になり、事業全体の運用効率化にもつながります。
■事業者への支払いも明確・公平に
産後ケア事業では、事業者ごとにサービス内容や料金体系が異なるケースも少なくありません。
その場合でも、あらかじめ自治体と産後ケア事業者の間で「1時間あたりの単価」を取り決めておくことで、支払い処理をシンプルに整理できます。
支払いは、
支払い金額 = 利用時間 × 単価
という明確な計算式で行えるため、算定根拠が分かりやすく、自治体・事業者双方にとって公平な運用が可能です。
事業者用の管理画面では、日ごとの利用時間や月ごとの合計利用時間を確認できるほか、請求・報告に必要なデータをそのまま確認・出力することもできます。
これにより、手作業での集計や確認作業が不要となり、事業者の事務負担軽減にもつながります。
■利用者にやさしい検索・表示機能
利用者向けサイトでは、利用可能な産後ケアサービスを検索できるほか、訪問型・通所型などのカテゴリ別に表示することで、自分の状況や希望に合ったサービスを選びやすくなります。
さらに必要な情報に迷わずたどり着ける設計とすることで、産後の負担を減らし、安心して産後ケアを利用できる環境づくりにつながります。
■多様な利用者への配慮も重要
産後ケアデジタルクーポンでは、利用者の背景や状況の違いに配慮した設計も重要です。
外国人利用者に対しては、英語や中国語などの多言語表示に対応し、表示言語を切り替えて利用できるようにすることで、日本語に不安のある方でも安心してサービスを選択できます。
また、スマートフォンを持たない方や、デジタル操作が苦手な方への対応も欠かせません。
こうした場合には紙クーポンでの利用を可能とし、紙クーポンへ切り替えた際には、該当するシリアルコードを無効化することで、二重利用を防止できます。
このように、デジタルと紙を併用できる制度設計とすることで、デジタルが苦手な方を排除しない、誰にとっても利用しやすい産後ケア事業を実現できます。
産後ケアデジタルクーポンの企画例
■企画例①『産前産後家事支援デジタルクーポン』
出産後の母親を中心に、家事代行サービスを時間単位で利用できるクーポンを発行する取り組みです。
体の回復期に無理をせず家事を外部に委託できることで、心身の負担を軽減し、産後うつの予防や育児放棄防止といった効果も期待されています。
多くの場合、地域の家事支援事業者と連携して実施されており、子育て支援と同時に地域雇用の創出にもつながる施策として注目されています。
▽企画書のお取り寄せはこちらから
https://www.pkbsolution.co.jp/coupon/planning_form.html?planning32144
■企画例②『ベビーシッター・ファミサポ利用支援デジタルクーポン』
保育園に通っていない乳幼児を育てる家庭を対象に、ベビーシッターやファミリーサポート(ファミサポ)を時間単位で利用できるクーポンを活用する取り組みも増えています。
家庭の状況に応じて柔軟に利用できるため、育児負担の軽減や保護者の孤立防止に寄与するほか、就労準備や短時間の外出を支える手段としても有効です。
運用のしやすさから、モデル事業・試行事業として導入する自治体も増加傾向にあります。
▽企画書のお取り寄せはこちらから
https://www.pkbsolution.co.jp/coupon/planning_form.html?planning32431
まとめ:産後ケアデジタルクーポンが目指すもの
いかがでしたか?
産後ケアデジタルクーポンは、制度を複雑にするための仕組みではなく、現場で無理なく運用できる支援の形を目指した仕組みです。
利用者には 「安心して使える」「迷わず選べる」使いやすさ を、
事業者には 「集計・請求の手間を減らす」事務負担の軽減 を、
自治体には 「公平性・透明性・監査対応力を確保できる」運用体制 をもたらします。
本人確認や管理を必要以上に厳格にするのではなく、必要なところだけをデジタル化し、アナログとの併用も前提にする。
それこそが、産後ケア事業におけるDXの現実解と言えるでしょう。
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